| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-378  (Poster presentation)

高頻度環境DNA観測で明らかにする魚類の個体群動態とその環境応答【A】
High-frequency eDNA monitoring reveals fine-scale temporal dynamics and environmental response of marine fish【A】

*Keisuke OTA(Tohoku Univ.), Shota SUZUKI(Minamisanriku Nature Center), Takuzo ABE(Minamisanriku Nature Center), Akihiro DAZAI(Center for Sustainable Society), Gen IWASHITA(Tohoku Univ.), Gohki KASAHARA(Tohoku Univ.), Hiroto OIKAWA(Tohoku Univ.), Kouhei OHMURO(Tohoku Univ.), Mayu SUZUKI(Tohoku Univ.), Minoru KASADA(Hokkaido Univ.), Naoma MOTOMATSU(Tohoku Univ.), Syogo KOBAYASHI(Center for Sustainable Society), Tatsuya MIYAMOTO(Tohoku Univ.), Akifumi S TANABE(Tohoku Univ.), Michio KONDOH(Tohoku Univ., WPI-AIMEC)

多くの魚類は、季節周期や日周期、潮汐周期などに対応した、様々な周期的活動パターンを示しており、そのような周期性を把握することは行動生態学や生理生態学における重要な課題である。環境DNAは近年、多種の分布や出現動態を効率的・非侵襲的に調べる方法として広く用いられてきた。しかし、環境DNAを用いて、魚類群集全体の行動周期特性や、複数の魚種の個体群動態に対する環境要因の時間変動の影響を明らかにした研究は少ない。本研究では、2時間おきの環境DNAメタバーコーディング調査を3日間、2か所の沿岸で行うことによって、高時間解像度での魚類群集動態を調べ、各種の魚類個体群動態に対する様々な環境変動の影響を評価した。高頻度環境DNA観測を用いることで、環境DNAが昼夜で異なる魚類群集構造を捉えられることを示した。また、魚種ごとの昼夜活動特性が、その魚種の生息場所と関連している可能性も明らかにした。加えて、多種の魚類個体群動態に対する、日周期や潮汐などの様々な環境変動の影響を明らかにした。これにより、複数の環境変数を軸とした、生物の多様な環境応答性に基づくニッチ空間を明らかにできる可能性を示した。このように、環境DNAを用いた高時間解像度の観測は、生物の時間動態を明らかにし、より効率的・網羅的な魚類の行動周期特性の理解につながるだろう。


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