| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-413  (Poster presentation)

サクラマスの体サイズ依存的な降海遅延【A】
Size-Dependent Delayed Migration of Masu Salmon【A】

*卯城光(北海道大学), 菅野陽一郎(コロラド州立大学), 二村凌(日本学術振興会, 国立水産技術研究所, ライプニッツ淡水研), 鬼石諭志(北海道大学), 奥田篤志(北海道大学), 岸田治(北海道大学)
*Hikari USHIRO(Hokkaido University), Yoichiro KANNO(Colorado State University), Ryo FUTAMURA(JSPS Postdoctoral Fellow, FRA, Leibniz Inst Freshw Ecology), Satoshi ONIISHI(Hokkaido University), Atsushi OKUDA(Hokkaido University), Osamu KISHIDA(Hokkaido University)

回遊は、異なる環境間を移動することで高い成長や繁殖成功を得る可能性をもつ一方、移動に伴う高い死亡リスクを負うハイリスク・ハイリターンの生活史戦略である。したがって、回遊開始のタイミングは個体の適応度を大きく左右する重要な要因と考えられる。回遊開始時期は、個体の内的状態と外的環境条件の相互作用によって決まると予想される。内的要因としては体サイズや栄養状態などが関与すると考えられ、移動初期にはサイズ依存的死亡が報告されている。一方、外的環境も時間的に変動し、成長機会や死亡リスクは時期によって異なる。したがって、回遊開始時期は単純に内的状態に連続的に依存するのではなく、内的状態と時間的に変動する環境条件の組み合わせによって決まる可能性がある。本研究では、この仮説を検証するため、北海道苫小牧の河川に生息する部分的回遊魚サクラマスを対象に個体追跡データを分析した。初春(4月上旬)に体サイズを測定したPITタグ標識個体の降海時期を調べ、回遊開始タイミングの季節性と状態依存的変異のパターンを明らかにした。


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