| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-430  (Poster presentation)

コバネアシベセスジハネカクシの雄における体サイズに応じた繁殖行動の変化【A】
Changes in reproductive behavior in male Anotylus amicus in relation to body size.【A】

*西首嶺一, 栗田桃萌, 奥園元晴, 徳田誠(佐賀大学・農)
*RYOUICHI NISHIKUBI, Tomoe KURITA, Motoharu OKUZONO, Makoto TOKUDA(Saga Univ.・Agriculture)

動物の繁殖行動は、個体が置かれた環境や身体的特徴によって多様な様式を示すことが知られており、昆虫類でもその変異は大きい。このような行動の多様性がどのように生じるのかを理解することは、個体間相互作用の進化を考える上で重要である。コバネアシベセスジハネカクシでは雄の頭幅に顕著な個体差があり、雌より大型の雄から雌と同程度の小型雄まで多様なサイズが見られる。また、本種では雄間闘争が観察されているが、頭幅差が闘争結果や繁殖行動にどのように関わるかは未解明であった。そこで本研究では、室内実験により雄の頭幅サイズが雄間闘争および繁殖行動に与える影響を検証した。営巣雄のもとに他雄を侵入させる試行を単独営巣時と雌を防衛している状況の両方で実施した結果、先住者・侵入者にかかわらず、ほとんどの試行で頭幅の大きい雄が勝利した。さらに、複数の雌雄が同一空間に存在する条件下で干渉行動を解析したところ、大型雄は雌への接触よりも同性(他雄)への干渉を多く行う傾向がみられた。一方、小型雄は雌には積極的に接触するものの、同種雄への干渉頻度は低かった。以上の結果から、頭幅サイズは雄間闘争の勝敗を大きく左右するとともに、雄の体サイズに応じた繁殖戦術の分化に寄与していることが示唆された。


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