| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-445  (Poster presentation)

コバネハサミムシのメスにおける卵認識の有無【A】
Egg recognition in female earwigs, Euborellia pallipes【A】

*中村翔吾, 小長谷達郎(奈良教育大学)
*Shogo NAKAMURA, Tatsuro KONAGAYA(Nara University of Education)

子育ては、脊椎動物にも無脊椎動物にも広くみられる行動である。その中でも卵を捕食者や乾燥などから守る行動を卵保護行動と呼ぶ。ハサミムシ類は雑食性の不完全変態昆虫で、メスが卵を保護する種が多い。その一方で、ハサミムシ類のメスは自身の卵を栄養源として食べる卵食行動を示すこともある。ハサミムシ類では巣同士が近い場合、他個体の卵が自分の卵塊に混入する機会があるとされる。さらに、卵保護行動にはコストが伴う。そのため、ハサミムシ類では他個体由来の卵が自身の保護する卵塊に混入した場合に、卵食により他個体由来の卵を排除する行動が進化すると予想されてきた。しかし、ヨーロッパクギヌキハサミムシ Forficula anuricularia のメスは自他の卵を認識しないという。その他の種では卵認識能力が十分に調査されておらず、ハサミムシ類のメスの卵認識能力については議論の余地が残されている。そこで本研究では、日本産で採集の容易なコバネハサミムシ Euborellia pallipes において、卵塊保護中の母親を入れ替える里親養育(cross-fostering)実験を実施した。卵塊の孵化率や卵保護期間(実験開始から孵化または全ての卵が卵食されるまでの期間)にメスの体サイズ・母親の入れ替え処理・産卵から実験開始までの日数・メスの産卵回数が与える影響を調査した。主に卵塊の孵化率を比較することで本種のメスの卵認識能力について議論する。


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