| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-476  (Poster presentation)

重金属汚染は土壌小型節足動物群集の耐乾性に影響するのか?【A】
Does heavy metal contamination affect the drought tolerance of soil micro arthropod communities?【A】

*後藤法子, 藤巻玲路, 山下多聞(島根大学)
*Noriko GOTO, Reiji FUJIMAKI, Tamon YAMASHITA(Shimane Univ.)

土壌小型節足動物は土壌環境の変化に敏感に反応する指標生物であることが知られているが、重金属汚染と乾燥という複合ストレスが土壌小型節足動物に与える影響は不明な点が多い。本研究では、鳥取県若松鉱山跡地と周辺の森林にて、降雨が少なく乾燥の強い春季と比較的湿潤な夏季に土壌を採取し、土壌小型節足動物の群集構造を比較した。また、凍結殺虫した土壌を埋設し、土壌撹乱を模した実験を行った。
重金属濃度は、森林ではMnとNiの値が大きくなり、鉱山跡地ではCr、Cu、Pbの値が大きくなった。乾燥の強い春季の土壌小型節足動物の個体数は、湿潤な夏季の1/3〜1/10程度となった。またこの個体数の減少は、鉱山跡地で大きくなった。また鉱山跡地の土壌小型節足動物群集の多様度指数は春季に減少した。撹乱を模した実験では、いずれも撹乱により土壌小型節足動物の個体数は増加した。湿潤な夏季においては森林では同様の群集の多様度および均等度を示したが、鉱山跡地では多様度と均等度は土壌撹乱により増加した。一方で乾燥の強い春季では、森林と鉱山跡地のいずれも撹乱により均等度が減少したが、減少の程度は鉱山跡地でやや大きくなった。これらの結果は、森林にくらべ鉱山跡地の土壌小型節足動物群集が乾燥や撹乱への影響を受けやすいことを示唆している。


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