| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-485  (Poster presentation)

広葉樹林への竹の侵入が有機物分解速度とトビムシ群集構造に与える影響【A】
<p>Effects of bamboo invasion into broad-leaved forests on organic matter decomposition rate and collembolan community structure</p>【A】

*岡田真緒, 澤井智裕, 梅村信太朗, 長谷川元洋(同志社大学)
*Mao OKADA, Tomohiro SAWAI, Shintaro UMEMURA, Motohiro HASEGAWA(Doshisha university)

近年、西日本各地で多くの竹林が放置されその後、竹林が自然に分布を拡大し人工林へと侵入する様子が観察されている。広葉樹林にタケが侵入すると、植物の多様性を低下させ森林生態系の中で養分循環の一部分を担っている分解過程にまで影響が及ぶと考えられている。本研究ではタケの侵入度合いに伴う、リター分解過程の特性および、植生や有機物層の構造の変化とトビムシ群集構造との関係を明らかにすることを目的とする。
京都府京田辺市の広葉樹林にモウソウチクが侵入した尾根部に40m×20mのプロットを設置し、内部を5m四方の32個のサブプロットに細分した。分解過程の特性はティーバック法(TBI)を用いて求めた。また、各サブプロットから底面積25cm²のコアを用いて有機物層と土壌層(5cm)を採取し、ツルグレン装置を用いてトビムシを抽出し種レベルまで同定した。環境要因として、樹木とタケの胸高断面積と本数、含水率の算出、有機物層各構成要素の重量を算出した。TBI指数を説明する環境要因を一般化線形モデルを用いて選択し、トビムシ群集の個体数・種数を説明する要因は、環境要因とTBI指数、空間要因(サブプロットの座標)を説明変数として一般化線形モデルを用いて選択し、トビムシ群集の種組成は、冗長分析(RDA)によって解析し、環境要因と空間要因の種組成に対する説明割合の変動分割を行った。その結果、TBI指数S値がタケの胸高断面積と正の回帰係数を示したことよりタケの多い場所ほど腐植が形成されやすいと考えられた。トビムシの個体数はタケの胸高断面積が高いほど減少する傾向を示し、個体数にはリター分解特性よりも植生、空間構造が影響を与えていた。また、RDAによりトビムシ群集の種組成に対し、タケの葉の堆積重量が影響を与えることが示された。タケの葉の堆積重量が多い場所では、トビムシの種のうち腐植層を好む地中性の小型の種が優占する傾向があった。


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