| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-523 (Poster presentation)
人為選択により形質が遺伝的に決定するかどうかを調べることができる。ヨツモンマメゾウムシは、数多くの人為選択実験で用いられてきたが、これまでに光環境の選好性に選択をかけた研究はない。すなわち、光環境選好性が遺伝形質かどうかは不明である。そこで、ヨツモンマメゾウムシの光環境選好性に人為選択をかけることを目的として、実験装置を製作した。ショウジョウバエを用いた先行研究で迷路が用いられていたことを参考に、3Dプリンタを用いてマメゾウムシ用の迷路を製作した。迷路に放たれた個体は計10回の分岐に遭遇し、各分岐では明るい道または暗い道を選ぶ。すなわち、各個体は10回光環境を選ぶことになる。また、逆流を防ぐために各分岐に返し構造を組み込んだ。迷路のゴールにはバイアルを11個設置して個体を回収できるようにした。この迷路に実際にヨツモンマメゾウムシを放つことで、迷路が適切に機能するかどうかを調べるとともに、人為選択のための系統における光環境選好性の初期値を調べた。ヨツモンマメゾウムシを放って24時間後までに、約95.8%の個体がゴールのバイアルに辿り着いた。また、観察した限りでは逆流している個体も見られなかった。このことから、全ての回収された個体は10回の分岐を経験したと考えられる。バイアル間の個体の分布は、1箇所に偏っていたり、反対に均等に分かれていたりということはなかった。よって、他個体の影響を強く受けた可能性は低く、各個体は光環境選好性に基づいて独立に道を選んだと考えられる。以上のことから、製作した迷路はヨツモンマメゾウムシの人為選択実験に使用可能であると考えられる。今後は、この迷路を用いて光環境選好性への人為選択実験を行いたい。