| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-606 (Poster presentation)
不成績造林地や管理不足の人工林の広葉樹林化が推進されており、知見の蓄積が求められる。「自然配植」は遷移段階の異なる樹種を空間を開けて植栽する手法で、周辺からの樹木の侵入を促進し、段階的な階層構造の発達を想定している。階層構造の発達は森林の公益的機能の発揮において重要であり、近年はLiDAR技術の発達によって森林の三次元構造の推定が可能となっているが、LiDAR測量によって広葉樹植栽地の階層構造を評価した研究は少ない。そこで、本研究では三重県大台町において自然配植による広葉樹植栽後10年の植生を把握するとともに、UAV-LiDAR データと植生の林分構造の関係を解析し、UAV-LiDARによる林分構造の把握が可能かを検討した。研究対象地では2014年度に、スギ人工林群状間伐地に配置された約0.01haの防鹿柵パッチ内に、1パッチ平均13種90本の広葉樹が植栽された。現地調査では全31パッチ中11パッチの毎木調査と、施業地全体のUAV-LiDAR測量を実施した。いずれの植栽パッチも先樹種の優占する植生であったが、樹種別胸高断面積割合によるクラスタ―分析の結果、3 つの植生群に分類された。樹高階別胸高断面積割合の最高樹高階と分布形状から、アカメガシワ優占群、カラスザンショウ優占群、ヤマハンノキ優占群の順に階層構造が発達していると考えられた。各植生群の林分構造とUAV-LiDARデータから算出した樹冠指標の関係を把握するため、箱ひげ図による比較とRDAによる序列化を行った。樹冠指標である上層木樹高は植生群の樹高を、Rumpleは階層構造の発達度に対応した傾向を示した。また、表層点密度が大きいほど、アカメガシワ優占群のように階層構造が未発達であることが考えられた。1 m未満点群数割合は、ヤマハンノキ優占群のように階層構造が発達し樹冠の密度が下がることで高い値を示すと考えられ、UAV-LiDARデータからもアカメガシワ優占群、カラスザンショウ優占群、ヤマハンノキ優占群の順に階層構造が発達していることが把握できた。