| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-010 (Poster presentation)
2025年7月,豊田市内を流れる西中山川と御船川の合流点付近で,特定外来生物に指定されているオオバナミズキンバイを愛知県内で初めて確認した.本種は種子だけでなく,植物体断片からでも開芽・発根が可能であるため,再生能力・分散能力共に極めて高い.河川や水路,水田などで繁茂すると,在来水生植物との競合だけでなく,稲の生育阻害や通水阻害による水害リスクの増加などが懸念される.これらの被害を未然に防ぐためには,発見後の迅速な対応が重要となる.そこで,まず,西中山川とその下流の御船川でオオバナミズキンバイの分布状況を調査したところ,最初の確認地点を含む16地点で本種の群落が見つかった.これらの確認地点は約1.2 kmの区間に限られ,このうち12地点は最上流の確認地点から下流260 mまでの区間に集中していた.また,各群落のうち最上流の確認地点の面積が約24 m2と最も大きく,他はその1/3以下だった.したがって,最初の侵入場所は最上流の確認地点であり,そこから分布を拡大している段階であると推測された.この結果を受け,愛知県と豊田市,豊田市自然観察の森,豊橋市自然史博物館,三河生物同好会の協働で直ちに駆除作業を行い,分布状況を把握してから10日以内に,すべての群落を目視や手探りで確認できる限り取り除くことができた.一方,その後の巡回調査では,取り残した茎や地下茎等から再生する芽生え,切れて流れたと思われる茎の一部などが複数見つかり,再び繁茂して分布域を拡大する可能性が示唆された.今後,群落を駆除した場所や下流域を対象に,取り残した部位やそこからの再生・繁茂の有無を定期的に巡視し,根絶に向けた駆除活動を継続的に実施していきたい.