| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-016  (Poster presentation)

マイクアレイを用いた野外生物音声の自動計測システム KoeTurri の開発
Development of KoeTurri: An Automated Measurement System for Wildlife Vocalizations Using Microphone Arrays

*水本武志, 柳楽浩平, 宮崎滉平(ハイラブル株式会社)
*Takeshi MIZUMOTO, Kohei NAGIRA, Kohei MIYAZAKI(Hylable Inc.)

自然共生サイトや生物多様性に配慮した不動産開発などをはじめとして、民間の自然保護の取り組みが広がっている。これらの施策を効果的にするためには、現状把握や効果検証のための生物のモニタリングが不可欠である。これまで様々なモニタリング手法が使用されてきたものの、従来の生物のモニタリング手法は一長一短であったと言える。たとえば、カメラトラップによる方法は、情報量は多いものの画角の外にある生物の観測ができない。また、専門家による観察は信頼性は高いものの人数が限られるために高頻度の観測ができない。さらに、市民科学的アプローチによる方法は、広範囲で大量の情報が得られるものの私有地や一般市民が立ち入れない場所の計測はできない。
そこで本研究では、音を使ったアプローチとして、マイクロホンアレイと生物の音声を学習したAIを組み合わせて生物の声を自動的にクラウドサーバーに記録する計測システム KoeTurri について報告する。本システムは、携帯電話回線を通して音声データを自動的に直接サーバーに送信でき、マイクロホンアレイ処理によって音声の到来方向が記録できる点に特徴がある。そのため、1台でどの時間帯にどの方向からどの種の音声が聞こえたのかを自動的に記録することができる。
本システムは都市公園・複合商業施設・ビオトープなどで2年間運用してきた。本発表では、本システムの概要について紹介し、運営する中で得られた雑音の影響による誤認識の傾向について報告する。また、生物モニタリングのためのデータのアウトリーチの応用の可能性として、実際に実施したサイネージによる情報提供やそれを用いたイベントによる啓蒙活動の可能性について議論する。


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