| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-039 (Poster presentation)
都市部周辺の植生は、耕作放棄、都市開発などにより消失、断片化しやすく脆弱である。特に、関東平野では耕作放棄や都市化が進み、かつては至るところで見られたコナラやアカマツなどの二次林や草原性の植生とその生物多様性が急速に失われている。したがって、現在残されている自然環境の把握と適切な管理が求められている。森林総合研究所は茨城県つくば市の南部に位置し、総面積は約32.5haである。所内では、松枯れ被害や遷移により減少しつつあるアカマツ林が維持されている。また、ツリガネニンジンやアマドコロなどの草原性の植物などが自生する環境も残されている。しかし、これまで基礎情報となる植物相、特に草本植物の記録がなかった。そこで、発表者らは2024年から所内の草本植物を中心とした植物相調査と植生調査を実施している。これまでの植物相調査で把握できた草本植物は208種、そのうち約3割に当たる64種が帰化種または外来種であった。また、北限が北上しているナチシダ(イノモトソウ科)、県内希少種のキンラン(ラン科)、アイナエ(マチン科)、ヒメウズ(キンポウゲ科)などの自生を新たに確認できた。さらに、所内の植生管理状況を調べ、今後の管理についての検討を進めている。本発表では、その一部についても紹介し、所内の植生保全についても検討を行いたい。