| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-041 (Poster presentation)
環境省生物多様性センターでは、自然環境保全基礎調査の一環として、近年(2000年度以降)の淡水魚類生息分布を把握することを目的として、2022-2025年度の4年間で調査を実施した。調査対象種として、二次的自然を主な生息環境とする63種、特定外来生物7種、国内希少野生動植物種や広域分布種といった視点から選定された45種の計115種を選定した。調査方法として、既存文献や報告書等を用いた分布情報整理と専門家へのアンケート調査(情報提供依頼)を行ったうえで、情報空白地域を対象とした環境DNA調査(MiFishメタバーコーディング法)を実施した。
その結果、ヨドコガタスジシマドジョウとヒナモロコを除く計113種の分布情報が得られた。そのほか関連する種(カマツカに関連するナガレカマツカやスナゴカマツカなど)の分布情報についても整理した。各魚種の分布情報は、標準地域メッシュの2次メッシュ(約10km)単位で集計し、在メッシュ数について過去調査(第4, 5回基礎調査)との比較を行った。また、オープンデータ化に向けて、絶滅危惧種など位置情報秘匿種については、流域単位または都道府県単位でGISデータを作成するなど、公開する空間スケールを考慮した。2026年度に環境省オープンデータカタログサイトにて公開予定である。
生息分布情報の活用事例として、ここでは2例を示す。1)絶滅危惧種や在来種について2次メッシュ単位での「種数」を集計し地図化することにより、分布の集中地域を見える化し、開発事業等の際の要配慮地域の選出やその他保全施策の参考資料とする。2)国外外来種5種の初確認年代を2次メッシュ単位で色分け整理することにより、各種の分布変化を図化し、今後の外来種対策における基礎資料とする。
会場では、淡水魚類分布メッシュ情報や集計結果をいくつか提示し、データ解釈や利活用などについて議論できればと考えている。