| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-043  (Poster presentation)

環境RNA-seqによる高感度魚類ストレス応答解析:界面活性剤の生態影響評価
Environmental RNA sequencing for sensitive detection of fish stress responses: a case study assessing the ecological effects of a surfactant

*宮田楓, 井上泰彰, 山根雅之, 本田大士(花王株式会社)
*Kaede MIYATA, Yasuaki INOUE, Masayuki YAMANE, Hiroshi HONDA(Kao Corporation)

環境RNA(eRNA)は生息域の生物に悪影響を及ぼすストレスを早期に特定できる可能性があるが、検出される遺伝子数が限られることが課題である。本研究では、メダカに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 (LAS)を曝露し、eRNAがメダカの化学物質への応答を評価できる可能性を検討した。水槽水中のeRNAと生物由来のRNA(oRNA)を12時間以内に分析することで、高いマッピング率を達成し、既報よりも約10倍の発現変動遺伝子数を得ることができた。eRNAは、炎症反応に関与するスフィンゴ脂質やセラミドの生合成に関連する遺伝子に高い感度を示した。これらの結果は、oRNAで得られた結果と一致しており、水槽水を用いたeRNA-sequencing(eRNA-seq)は、生理的ストレスを解析するための貴重な非侵襲的ツールとして有用であることが示唆された。本技術は、生物多様性や生態系保全の取り組みに役立つと考える。


日本生態学会