| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-061  (Poster presentation)

伐採後の経過期間に関連した二次林における微生物群集の違い
Difference in microbial communities in secondary forests associated with time since logging

*木村圭一, 今藤夏子, 土屋一彬, 渡邊未来, 高橋晃子, 角谷拓(国立環境研究所)
*Keiichi KIMURA, Natsuko KONDO, Kazuaki TSUCHIYA, Mirai WATANABE, Akiko TAKAHASHI, Taku KADOYA(NIES)

環境中に存在する微生物群集、特に細菌叢は生態系機能にとどまらず、ヒトのアレルギー疾患との関連が指摘されている。このことから、人の利用が見込まれる環境における細菌群集構造を把握することは、生物多様性と人の健康との関係を理解するうえで重要である。環境中の細菌叢を解析する手法としては、土壌やリター、大気などからDNAを抽出して分析する環境DNA解析が広く用いられている。これまでの環境DNA研究により、周囲に分布する植物種の違いなどが細菌群集構造に影響を及ぼす可能性が示されている。人の利用が想定される里山環境においては、景観維持や利用者の安全性確保のために伐採や下草刈りを実施することが多い。こうした森林管理によって植物以外の生物を含む生物多様性が高度に維持されていることも知られている。しかしながら管理の形態や経過年数によって細菌叢にどのような差異が生じるかは、依然として不明瞭である。そこで本研究ではレクリエーション利用される二次林において、伐採時期により土壌とリターの微生物群集に差異が生じるかを検証した。2025年7月30日と31日に栃木県茂木町内の雑木林において2024年に間伐された地区、2009~2010年に間伐された地区、未間伐の地区、下草刈りのみ実施された地区の4地区から表層の土壌とリターを収集した。対象とした地区では、コナラ(Quercus serrata)やヤマザクラ(Cerasus jamasakura)が優占していた。収集したサンプルからDNAを抽出したのち、16SrRNA遺伝子のV4領域についてアンプリコンシーケンス解析を実施し、細菌の群集構造と相対存在量に関する情報を得た。並行して土壌とリターから全炭素量、全窒素量、pH、EC、水分量も測定し、調査地区の開空率も算出した。本発表では、主に伐採時期と細菌叢の関係性を検証した結果について報告する。


日本生態学会