| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-070 (Poster presentation)
コケは倒木の環境を変化させることによって微生物群集に影響を及ぼし、木材の分解を調節している可能性がある。しかし、こうした環境変化とそれに対する微生物の応答については十分に解明されていない。そこで、本研究では日本のブナ林を対象に、コケが木材の物理化学的特性を変化させることを通じて、細菌および真菌群集の構造にどのような影響を及ぼすのかを検討した。
その結果、コケに被覆された木材と未被覆の木材との間で、微環境条件および微生物群集組成に明確な差異が認められた。具体的には、コケの存在は分解木材中の含水率や栄養塩類濃度の上昇と有意に関連していた。これらの環境変化に伴い、いくつかの微生物分類群の相対存在量が増加していたことから、コケが一部の微生物にとって有利な生育条件を形成している可能性が示唆された。さらに、こうした微生物群集構造の変化は、木材中の炭素および窒素の動態にも影響を及ぼしている可能性も示された。