| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-083 (Poster presentation)
香川県北部の離島である豊島の最高峰・壇山には,「豊峰権現社の森」として県指定自然記念物に登録されているスダジイ優占林が存在する。本林分では2023年よりナラ枯れの発生が確認されており,ブナ科樹木の集団枯死が生じた場合,大規模な景観変化が生じることが予想される。本研究では,壇山のスダジイ林に合計2,000 m²のメッシュプロットを設置し,ナラ枯れ被害発生から3年間の被害状況の推移と,被害木の特徴について追跡調査を行った。当該林分の構成種のうち,ナラ枯れに罹患しうるブナ科樹木はスダジイのみであり,個体数55,幹数119,BA合計66.5 m²/haであった。2023年には,幹数ベースで20.1%,BAベースで37.8%のスダジイがカシノナガキクイムシ(カシナガ)の穿孔を受けていたが,2025年までに幹数ベースで29.4%,BAベースで68.1%へと被害が拡大した。さらに,2025年までに穿孔を受けた幹のDBHは,穿孔を受けていない幹のDBHよりも有意に大きく,大径木ほどカシナガの穿孔を受けやすい傾向が示された。スダジイの樹冠は全体的に衰退傾向にあった。2025年までにカシナガの穿孔を受けたスダジイは、穿孔を受けていない個体よりも樹冠が衰退している傾向がみられた。