| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-087 (Poster presentation)
近年、気候変動の進行に伴い極端気象現象の頻度および強度が増加しており、社会経済や生態系への影響が深刻化している。とりわけ干ばつは、植生の生産性や生態系機能に直接的な影響を及ぼす重要な要因である。最近、長期のNDVIである、KPU-GIMMS-NDVIが発表された。このデータを利用して、異なる対象期間における植生の応答および、水バランスを示すSPEIとの関係について検証を行った。SPEIの値を基準に干ばつの判定を行い、年間平均SPEIが-0.64を下回った時のみを解析の対象とした。本研究では、干ばつに対する植生の応答を定量化する指標として Isbell et al.(2015)が提唱した「Resistance(抵抗性)」を用い、平均的な気象条件(SPEI:25‐70パセンタイル)におけるNDVIを考慮したうえで、Resistanceを算出した。解析には、衛星観測に基づく2種類の植生指数データ、MODIS-NDVIおよびKPU-GIMMS-NDVIを用い、全球スケールで比較検討を行った。
その結果、過去40年間全体の傾向と比較して、直近20年間においてResistanceの低下がより急激に進行していることが明らかとなった。特に乾燥・半乾燥地域を中心に抵抗性の減少が顕著であり、近年の気候変動の加速が植生の干ばつ耐性を弱めている可能性が示唆された。本研究は、異なる衛星データを用いた比較をアマゾンやコンゴ盆地、北半球の高緯度地域における脆弱性が高いことが示唆された。