| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-090  (Poster presentation)

中大型哺乳類が林道を利用する時間帯は人間活動によって異なるか?
Does the time of day when medium and large-sized mammals use forest roads vary depending on human activity?

*斎藤昌幸, 林るり(山形大学)
*Masayuki U. SAITO, Ruri HAYASHI(Yamagata Univ.)

野生動物は人間活動を時間的に回避しながら空間を利用する。森林管理のために作られる林道は、採食などの面でメリットがあるため、さまざまな動物に利用される。しかし、車両の通行に代表される人間活動の大きさは林道によって異なるため、どの時間帯に利用するかは林道によって異なると予想される。本研究では、人間活動が中大型哺乳類による林道の利用時間帯に与える影響を評価した。2024年6月~12月に山形県鶴岡市の林道85地点でカメラトラップ調査を実施した。得られた各種の撮影時刻から、利用時間帯を夜間、夜明け、日中、夕暮れの4つに区分した。また、人間活動の大きさの指標として、各地点における1日あたりの車両の撮影回数を算出した。これらのデータから種ごとに条件付きロジットモデルを構築し、車両撮影頻度が林道の利用時間帯に与える影響を解析した。その結果、多くの種(タヌキ、アカギツネ、ニホンテン、ニホンアナグマ)は夜間に林道を利用していた。車両撮影頻度の影響は、ニホンザル、キツネ、イノシシにおいて検出された。キツネとイノシシは車両通行頻度が多いと夜間に林道を利用する割合が高くなった。また、サルは車両通行頻度が多いと夜明けに林道を利用する割合が高くなった。本研究の結果は、一部の種は人間活動の大きさに応じて、林道を利用する時間帯を調整していることを示唆している。


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