| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-098 (Poster presentation)
生活史の一側面としての繁殖回数の進化は、Cole(1954)以来、進化生態学における重要な課題である。発表者らはこれまでに、従来一回繁殖とされてきた河原植物カワラノギク Aster kantoensis において、翌年の生残・再繁殖への資源配分とみなされる「開花株ロゼット」を介した多回繁殖が行われていることを明らかにしてきた。しかし、同一集団内における開花株ロゼット形成の有無にみられる個体差がどのような要因によって生じるのかは未解明である。本研究では、当年の繁殖と開花株ロゼット形成とのトレードオフの可能性を形態測定によって検証し、あわせてその個体差の規定要因を検討する。野外調査では、各個体の開花株ロゼットの有無を記録し、根際直径、植物高、頭花数を測定した。また、ロゼット形成の有無と個体間の遺伝的距離との関係を検討するため、各個体から ddRAD-seq によりゲノムワイド SNP データを取得した。本種は4倍体であるため、倍数性を考慮して ipyrad および R パッケージ polyRAD を用いて解析を行った。生活史形質としての開花株ロゼット形成の個体差を、資源配分上のトレードオフおよび遺伝的背景を含めて統合的に評価する。