| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-117  (Poster presentation)

個体サイズに依存した根への配分シフトから見た草本と木本の違い
Differences between woody and herbaceous plants considered from size-dependent shifts in allocation to roots

*黒澤陽子(林木育種センター), 森茂太(山形大学)
*Yoko KUROSAWA(Forest Tree Breeding Center), Shigeta MORI(Yamagata Univ.)

陸上植物の成長を制御する地上部と地下部へのエネルギー配分機構の解明は生態学の中心的課題である。従来、配分は環境や系統差を中心に議論されてきたが、芽生えから成熟個体に至るまでの個体サイズ変化に伴うシフトは十分に検証されていない。特に、個体全体の根系・地上部呼吸を同時に実測した研究は限られている。
本研究では、シベリア~熱帯の樹木96種1243個体および草本33種約463個体を対象に、チャンバー密閉法で個体全体の地上部・地下部呼吸を測定し、個体重量との関係を解析した (1,2) 。
その結果、木本では成長初期に根系への配分が高く、その後、個体サイズの増大に伴って地上部への配分が高まる非線形でモデル化された。一方、草本ではこれと逆向きの非線形でモデル化され、成長過程における根の役割が木本とで異なることが示唆された。これらの結果は、個体サイズに依存した根への配分シフトの違いが、小型・短命な草本と大型・長寿な木本という生活史戦略の分化を支える基盤である可能性を示す。
(1)  Kurosawa and Mori, et al. Ann. Bot., 2023, (2)  Kurosawa and Mori, et al. Proc. R. Soc. B, 2025


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