| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-122 (Poster presentation)
植物根の呼吸速度は、陸上生態系の炭素循環や炭素収支量を推定する際の重要な因子で、短期的には地温、長期的には成長量や呼吸基質量に影響を受けると広く考えられてきた。発表者らは、葉の蒸散速度と根の呼吸速度の同時測定から「根の呼吸速度がこれらの要因だけでなく、葉の蒸散速度の変動とリンクして変動する現象」を過去に発見した。このリンク現象が、過去に報告した冷温帯の樹種だけでなく、他の気候帯の樹種にも共通する一般性をもつならば、地球規模の炭素循環の推定モデルの改善に貢献すると考えられる。本発表では、亜熱帯性低木2種を対象に、葉の蒸散速度と根の呼吸速度にリンク現象がみられるのか検討を行った。
2025年8月に小笠原諸島父島の大神山尾根部に自生するテリハハマボウ、シャリンバイの同一個体において、根の呼吸速度、根・幹・枝の道管流速、葉の光合成・蒸散速度の同時連続測定を行った。根の呼吸速度は光学式酸素濃度計(VisiFerm)を、幹の道管流速は樹幹流速計(SFM1)、根と枝の道管流速はマイクロセンサー(共著者開発品)を、葉の光合成・蒸散速度はLI6400をを用いて、10~24時間の連続測定をおこなった。
テリハハマボウおよびシャリンバイの根の呼吸速度は、日中に温度では説明できない大きな変動を示した。また、夜間にも断続的な呼吸の急上昇が観測された。この要因を探るため、気象観測データ、光合成・蒸散速度、植物個体各部の道管流速値などをPLSR解析により探索した。