| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-136 (Poster presentation)
アオナシ Pyrus ussuriensis var. hondoensis(バラ科)は長野県や山梨県などに分布する。アオナシは開発の影響により、減少していると考えられている。種子散布は個体群の更新に影響すると考えられるため、アオナシにおいて種子散布の様式を解明することは、その保全に寄与すると考えられる。ナシ属では、哺乳類によって果実が摂食される種が知られている。また、アオナシの果実は緑色を帯び香りを放つという、哺乳類によって摂食される果実にしばしば観察される形質をもつ。このため、アオナシは哺乳類によって被食散布される可能性がある。しかし、アオナシの果実食者に関する研究事例は限られている。そこで、本研究では長野県の自生地において、アオナシの果実食者を調査した。自動撮影カメラの撮影データは解析途中であるが、ニホンジカや齧歯類による果実の摂食などが観察された。ナシ属の他種で行われた研究においても、シカ類や齧歯類などの動物によって果実が利用されることが報告されている。しかし、シカ類や齧歯類は種子を損傷させるため、種子散布の効率が低い可能性が指摘されている。アオナシにおける種子散布者の有効性を明らかにすることは今後の課題である。本研究はJSPS科研費JP24K17909の助成を受けた。