| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-141  (Poster presentation)

2種のハナホソガ送粉共生系における宿主植物の季節変化および遺伝構造比較
Seasonal changes and genetic structure of host plants in two Epicephala moth pollination mutualism

*古川沙央里(京都大学・生態研, 龍谷大学・農), 川北篤(東京大学・理・植物園)
*Saori FURUKAWA(CER, Kyoto Univ., Ryukoku Univ.), Atsushi KAWAKITA(Univ. of Tokyo)

コミカンソウ科植物とハナホソガ属ガ類(以下、ハナホソガ)は植物と種子食性の送粉者が互いに強く依存し合う送粉共生系のひとつである。ハナホソガの雌成虫は、宿主植物の雌花に能動的に授粉した後、その子房内部に産卵する。孵化した幼虫は果実内に複数ある種子のうち数個のみ摂食して成熟するので、幼虫の食害を免れた種子により、植物も子孫を残すことができる。

日本に生息するハナホソガのうちEpicephala obovatellaEpicephala corruptrixは、コミカンソウ科植物のカンコノキとその姉妹種ヒラミカンコノキを宿主として共有する。カンコノキは沖縄諸島以北に分布し、八重山諸島以南にはヒラミカンコノキが分布する。このため、ハナホソガの生息地域によって利用する宿主が変わる。しかしながら、宿主を共有するにも関わらず、一部の地域を除き、ハナホソガ2種は排他的な分布構造をもつ。また、宿主は、開花時期が年に一度個体間で同調する(同調期)。その一方で、同調期以外の時期は開花数は少ないながらも年間を通していずれかの個体が開花している。

本研究では、上述した2種のハナホソガが混在して分布する奄美大島において、カンコノキの開花量とハナホソガ2種の分布の季節変化およびカンコノキの遺伝構造を調べることで、ハナホソガ2種の分布と宿主植物の遺伝構造の間に対応関係があるかどうかを明らかにすることを目的とする。


日本生態学会