| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-142 (Poster presentation)
2024年秋、兵庫県ではブナ科堅果3種(ブナ、ミズナラ、コナラ)が14年ぶりに同時凶作となった。加えて、多くの液果類も概ね凶作であることが観測された。その結果、ツキノワグマの大量出没が14年ぶりに生じた。大量出没年のクマの食性の特徴を明らかにするため、近畿北部西側個体群を対象に、2021~2024年の4年間に収集したクマの糞サンプルの分析を実施し、秋季の食性の年度間比較をした。その結果、大凶作年であった2024年の秋季におけるクマの主要な採食物はクリであった。また、他の年と比較して、ニホンジカの採食割合が顕著に高い特徴がみられた。過去20年間のクマの捕獲数と目撃・痕跡数の変動をみると、2024年秋季は目撃・痕跡数より捕獲数が相対的に多い特徴があった。2024年秋季は人里周辺のカキも凶作であったことから、クマはカキを利用できず、その代替物として、クリや捕獲罠の誘引餌を例年になく利用したことが示唆された。