| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-143 (Poster presentation)
多くの植物では新葉が緑ではなく赤や紫の色を呈することが知られているが、新葉の赤色は防御物質を多く含むことを表す警告色であると考えられている。タブノキも赤い新葉をつける植物の一つである。ただし、新葉の色には個体間・個体内で変異があり、緑色の新葉も見られる。新葉の赤色が警告色なら緑色の新葉には防御物質が多く含まれていないのかもしれない。そこで、ケブカサルハムシに赤色と緑色のタブノキの葉を選択させる実験を行い、緑色の葉を好むのか調査した。赤色と緑色のタブノキの新葉を直径6mmの円形に切り抜き、ケブカサルハムシ成虫に白色光、青色光、暗黒の光条件下で3時間選択させた。その結果、色がわからない暗黒下で緑色の新葉が選択されたことから、緑色の新葉には防御物質が少ないことが示唆された。しかし、色を識別できる白色光の下では野外の緑色の新葉から採集した個体は緑色の新葉を多く食べたが、赤色の新葉から採集した個体はどちらかを多く食べるという傾向を示さなかった。このことから、赤色の新葉由来の個体は成熟した硬い緑色の葉との比較で新葉の色が赤いことを学習していたため、防御物質の多い赤い葉もそれなりに食べたのではないかと考えられた。