| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-208 (Poster presentation)
ヤエガワカンバBetula davurica Pallasは北東アジアに広く分布するが、日本列島では北海道東部と本州中部に隔離分布する。隔離集団は、遺伝的多様性が低下し、遺伝的に分化すると予想される。そこで、核SNP遺伝型、葉緑体DNA配列、葉形態表現型を北海道3集団、本州4集団、沿海州3集団の間で比較した。核SNP4万座位の八倍体140個体の遺伝型を推定したところ、遺伝的多様性は本州(0.158 ≤ HE ≤ 0.176)が 北海道と沿海州(0.145 ≤ HE ≤ 0.149)より高く、遺伝的分化度は本州と他の地域の間(0.011 ≤ FST ≤ 0.035)が北海道と沿海州の間(0.002 ≤ FST ≤ 0.009)より高かった。葉緑体DNA(trnL–trnF)配列は、本州が北海道と沿海州と異なっていた。ただし、葉の形と面積の変異はこれらの地域の間で重複していた。これらの結果は、日本列島に隔離分布する集団は、遺伝的多様性が低下しておらず、本州のみで遺伝的に分化していることを示している。