| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-209 (Poster presentation)
葉縁部の色素(例:アントシアニン)は、植食性昆虫に対する防御シグナルとして機能し、摂食被害を低下させる可能性が示唆されている。一方、都市植物進化の文脈で葉色(とくに葉縁色)に着目した研究は限られている。スベリヒユには葉縁部が赤い個体と緑の個体が存在する。本研究では、都市と農村で葉縁色の頻度が異なるか、さらに植食圧の空間変異と対応するかを検討した。東京及び周辺農村において野生個体を調査し、各個体の葉縁色(赤/緑)を記録するとともに、葉の食害量をで定量し、個体上の植食性昆虫個体数をカウントした。解析の結果、都市個体では葉縁が緑の個体が多く、農村個体では葉縁が赤い個体の割合が高かった。また、葉の食害量は都市より農村で高く、植食性昆虫個体数も農村で多かった。以上より、スベリヒユの葉縁色は都市・農村間で分化していることが示唆され、植食圧の空間変異(農村で高い)と対応して葉縁の赤色化が維持・増加している可能性がある。今後は葉縁色と防御形質(化学成分等)の対応を検証するなどより詳細な分析が必要である。