| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-237  (Poster presentation)

近年の京都府南部広葉樹二次林における二酸化炭素交換特性
Carbon dioxide exchange above a broad-leaved secondary forest in southern part of Kyoto Prefecture, central Japan in recent years

*高梨聡(森林総合研究所)
*Satoru TAKANASHI(FFPRI)

将来の気候変動抑制に対して、森林が持つ二酸化炭素吸収機能や蒸発散作用による気候緩和機能等の多面的機能を発揮させることが期待されている。京都府南部に位置する山城地域の森林は、明治以前には、荒れたはげ山であったが、明治時代の初期に砂防を目的として植林され、いまではコナラを主要構成樹種とする二次林である。同地域に設置された山城水文試験地では、気象観測タワーを用いて、渦相関法による森林の二酸化炭素吸収量の連続観測および日射、気温、降水量等の環境測定を2000年より継続している。同流域内では、2013年に初めてコナラの穿孔被害が観測され、2015年では流域内の全域に穿孔被害が拡大した。本研究では、森林群落スケールでの光合成・呼吸等の二酸化炭素交換特性の詳細について、近年のナラ枯れを含む期間を対象に解析を行った。毎木調査により得られた流域内のコナラの地上部現存量は2009年には5.22kg m-2、2014年の6.34kg m-2であり、2020年には6.13kg m-2に減少していた。気象観測による二酸化炭素吸収量の測定からは、測定初期の2000-2003年ごろの年間130gC m-2程度の吸収量から漸増を続け、ナラ枯れによるかく乱を経て、近年では約300gC m-2程度へと増加していることが分かった。


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