| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-243  (Poster presentation)

ブドウ果汁における糖類の炭素安定同位体比の品種による違い
Varietal differences in the carbon stable isotopes of sugars in grape juice

*赤松史一, 清水秀明, 伊木由香理, 鎌田綾, 小山和哉, 藤田晃子, 磯谷敦子((独)酒類総合研究所)
*Fumikazu AKAMATSU, Hideaki SHIMIZU, Yukari IGI, Aya KAMADA, Kazuya KOYAMA, Akiko FUJITA, Atsuko ISOGAI(Natl. Res. Inst. Brew.)

ブドウ果汁に含まれる糖類の炭素安定同位体比は、ワインのエタノール炭素安定同位体比を決定する重要な基礎情報である。しかし、日本国内で栽培されるワイン用ブドウの糖類の炭素安定同位体比に関する知見は乏しい。本研究では、多品種のブドウを対象に、糖組成および炭素安定同位体比の品種間差異と、それらを規定する要因を明らかにすることを目的とした。同一圃場で栽培されたワイン用ブドウ10品種を収穫し、果汁中のグルコースおよびフルクトースの濃度と炭素安定同位体比を測定した。全品種を通して、果汁中のグルコースとフルクトースはほぼ等量存在しており、炭素安定同位体比はグルコースがフルクトースよりも平均で0.6‰低い値を示した。両糖の炭素安定同位体比には品種間で有意差が認められたが、白ワイン用と赤ワイン用の品種グループ間での有意差は検出されなかった。炭素安定同位体比の変動要因を検討した結果、収穫日までの積算有効温度および積算降水量が説明変数として採択された一方で、糖濃度は採択されなかった。本研究の結果、ワイン用ブドウ果汁の糖類の炭素安定同位体比の品種間差異には、糖濃度よりも、各品種の栽培期間における気温や水分条件といった気象要因が関与していることが示唆された。


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