| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-009 (Poster presentation)
アユはなわばりを持ち生活する魚として知られている。飼育する際には水温管理が必要であるため、飼育の難易度は比較的高い。アユを対象とした実験として、飼育環境下での行動分析を行うことができる。そこで、飼育環境下のアユを、カメラを使い連続的に撮影し、特にアユの攻撃行動と摂餌行動を観察し、飼育環境下における行動の解明を目的として観察を行った。 90 cm水槽でアユを2匹飼育した。実験を始めた2024年の水槽には外部フィルター(エーハイムクラシック, 2213)、エアポンプ、水中ポンプ(リオプラス800)を設置した。自然光をあて日周期を野外環境とあわせ、捕獲した川と同じ付着藻類を繁殖させエサとし、魚の飛び出しを防ぐために水槽の上部を網で覆った。2025 年ではこれらに加えて、水槽用クーラー(ゼンスイzc-200a、水温を23.0℃±0.5℃に設定)と、水槽の底面への砂利の敷設、エサへの食いつきが良いオイカワと混泳させて人工飼料(ひかりタナゴ)の給餌を行い、水中ポンプの前後の位置を変えた。カメラ(DVR-Z4)を用いて水槽内の観察を行い、摂餌行動と攻撃行動の回数を記録した。観察期間は2024年と2025年の9月7日~9月30日の計48日間である。カメラのデータから、摂餌行動は2024年に1381回で最大は12時の173回、 2025年は1054回で最大は13時の146回、攻撃行動については2024年は52 回で最大は13時の9回、2025年は100回で最大は8時の17回となった。このように、飼育下でも昼行性であることが確認できた。また、攻撃行動については 、2024年は付着藻類が最も多い場所で6回となった。さらに、2025年に人工飼料を追加した場合には、攻撃場所が変化し、水流によって人工飼料が流れつく場所が9回と最大になった。このことから、付着藻類の割合や水流による人工飼料の分布による影響が示唆される。