| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-012  (Poster presentation)

AI画像解析を用いたハコネサンショウウオ・ホムラハコネサンショウウオの幼生の種判別【A】
Identification of Onychodactylus japonicus and O. pyrrhonotus at the larval stage using AI image analysis .【A】

*小林祐介, 篠原菜々華, 岩津奏祐, 棚橋洸介, 川瀬幸貴, 竹内啓太, 白木瑛翔, 高木雅紀(大垣北高等学校)
*Yusuke KOBAYASHI, Nanaka SHINOHARA, Sosuke IWATSU, Kosuke TANAHASHI, Koki KAWASE, Keita KAKEUCHI, Eito SIRAKI, Masaki TAKAGI(Ogaki-kita High School)

AI画像解析を用いたハコネサンショウウオ・
ホムラハコネサンショウウオの幼生の種判別
〇小林祐介・篠原菜々華・岩津奏祐・棚橋洸介・川瀬幸貴
・竹内啓太・白木瑛翔・高木雅紀(大垣北高校)

【背景・目的】
ハコネサンショウウオOnychodactylus japonicus(以下、ハコネ)とホムラハコネサンショウウオO. pyrrhonotus(以下、ホムラ)は長らく同種とされていたが,遺伝的な違いと生殖的隔離の成立が確認され,2022年にホムラが新種記載された。両種の幼生は外見での種判別が困難である。そのため,DNA解析より簡便な画像解析によって両種を判別し,将来的に希少種ホムラの保護活動に貢献したいと考えた。
【材料・方法】
PCR-RFLP法によって種同定を行ったハコネ297個体,ホムラ37個体の画像解析を行った。解析個体数が少ないホムラの画像がより重要視されるようにモデルを調整し,両種とも公平に学習できるようにした。このモデルを用いて,AI画像解析の精度を調べ,Grad-CAMでAIがどこに注目しているかを調べた。
【結果・考察・展望】
テストデータで評価を行い,画像解析10回の平均F値はハコネが0.763,ホムラが0.399だった。ハコネは高精度で分類できる一方で,ホムラは画像の多様性に欠けており,十分な分類精度に至らなかったと考えられる。しかし,ホムラは見逃しにくさを意味するRecallの値が0.700であったため,見逃しは少ないと考えられる。このことは保護の観点で大きな利点となる。Grad-CAMを用いたところ,ハコネでは背中や左後肢,ホムラでは腰部周辺や背中に注目する傾向が見られた。そのため,背中などのように模様の出ている部位に両種の外見上の違いが存在すると考えられる。今後は画像解析の精度向上のため,画像を様々な角度から撮影し,学習データの多様性を高めたい。また,両種の違いをさらに明確にするため,AIの注目箇所を数値で定量化し,分析したい。


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