| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-015  (Poster presentation)

ナゴヤダルマガエルの飼育環境を探る〜みんなで守るために最適な飼育方法とは〜【A】【E】
Exploring the best habitat for the Nagoya Daruma Frog~What Is the best way to care for them together?~【A】【E】

*杉井心珠(清心女子高等学校)
*Kokomi SUGII(Seishin Girls' High School)

ナゴヤダルマガエルは岡山県内に局所的に分布しており、田んぼの埋め立てや農法の変化などにより、生息地・生息数ともに激減しており、絶滅の危機に瀕している。域外保全として、地元保護団体が数年前から幼生から幼体にかけて一時的に飼育し、田んぼに放流する里親活動を実施している。その最適な飼育方法を探るため、昨年度からホウレンソウを与えて飼育したが、野外に近い環境で飼育することができれば飼育者の負担を減らすことができると考え、ビオトープの水草だけと従来のホウレンソウを与えて育てる2種類の水槽を用意した。体長を約一週間おきに計測し、後ろ足と前足が生えた時期も記録した。各水槽の成長スピードと生存率を比較し、飼育環境が成長に与える要因を探ることにした。7月末に野外から卵を採取し、8月19日から実験を開始し、ホウレンソウのみを与える水槽を5個、水草のみで育てる水槽を5個、それぞれに10匹ずつ飼育し、計100匹のオタマジャクシを用いた。飼育場所は屋外で建物の北側、日陰の環境とし、水深は10cm程度とした。
結果はホウレンソウの水槽のほうが足が生えるのが早く、また平均生存率はホウレンソウの水槽が68.2%、水草の水槽が16.0%と大きな違いがあった。よって水草のみで育てるのは難しくエサを与えることが必要だとわかった。この実験と並行して、水草や土を十分に入れた1m程の大きな水槽で飼育したが、これらの個体は実験で飼育した個体よりも大きく成長していることが分かった。来年度はより大きな水槽で多くの個体の飼育を試み、飼育者の負担を軽減できる飼育方法を見つけていきたい。
さらに研究だけでなく啓発活動にも力を入れており、観察会や勉強会、イベント出店を通して本種の存在を知るだけではなく理解から行動に繋ぎ、持続的な保護活動の実現を目指すことを目的としている。今後も飼育方法の改良と啓発活動を継続していきたい。


日本生態学会