| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-016  (Poster presentation)

人間用心電図計を用いたクサガメの非侵襲的心拍数測定―心拍数変動因子の特定-【A】
Non-invasive Heart Rate Monitoring in Mauremys reevesii with a Human Electrocardiogram (ECG) Device: Identifying Factors of Heart Rate Variability【A】

*朝比奈遥杜(附属浜松中学校)
*Haruto ASAHINA(Fuzoku HAMAMATSU J.H.S.)

【背景・目的】カメは長寿の象徴である。心拍数が少ない生物の方が長寿という説を知り、私はカメの心拍数を測定したいと思った。これまでの研究で半水生ガメの甲羅表面から非侵襲的に心拍数を測定することができた。今回は季節や気温など周囲の環境のよる心拍数の変動と、体温や体重といったカメの状態の変化による心拍数の変動の有無を解明することと、心拍数を変動させる介入因子を同定することを目的とした。心拍数変動因子をみつけ、カメが健康で長生きできる方法を知る糸口にしたい。
【方法】クサガメ2個体を実験に使用した。測定時には気温、湿度、気圧、体温、体重を測定した。カメの甲羅を脱脂乾燥させ、導電布テープで作成した電極を甲羅に2か所貼付、電極にクリームを塗り、心電図を測定した。測定した心電図の波形の頂点間隔の5か所平均から心拍数を算出した。安静時の心拍数と共に高音、低音、光、暗闇、えさのにおいの5つ刺激を与えた時の心拍数を測定した。
【結果】クサガメの心拍数は10月頃から減少し、5月頃から再度上昇してきた。また、環境温と体温は上昇するにつれて心拍数も上昇し、両者に相関関係が見られた。一方で、気温と湿度には心拍数と相関関係は見られなかった。クサガメ1個体において、暗闇で測定すると心拍数が低下した。光、えさのにおい、高音、低音では2個体共に再現性のある心拍数変動はみられなかった。
【考察・展望】季節変化により環境温が変動する。カメは変温動物のため環境温が変動すると体温も変動する。体温の変動が心拍数変動させたと考えた。クサガメ1個体は暗闇でリラックスした、あるいは、恐怖を感じ迷走神経反射で心拍数が低下したと考えた。個体差があったためカメにも性格や気分があると考えている。今後は他の心拍数変動因子の発見とカメに性格・気分があることを証明したい。


日本生態学会