| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-024  (Poster presentation)

クロモジ5分類群の種間関係の解明~かおり成分分析と分子系統解析から~【A】
A Study of Interspecific Relationships in the Five Lindera Taxa by Aroma Component Analysis and Molecular Phylogenetic Analysis【A】

*小多柚季, 大西彩月, 常深花歩(兵庫県立小野高等学校)
*Yuzuki KODA, Satsuki OHNISHI, Kaho TSUNEMI(Hyogo Pref. Ono High School)

クロモジ類は,クロモジ(Lindera umbellata var. umbellata 主に四国・九州を除く太平洋側に分布),オオバクロモジ(L. umbellata var. membranacea ⽇本海側に分布),ケクロモジ(L. sericea var. sericea 四国・九州を中心に⻄⽇本の一部と⼤陸に分布),ウスゲクロモジ(L. sericea var. grabrata 西日本から関東の本州中央部山脈に分布),ヒメクロモジ(L. lancea 東海から西日本の南部に分布)の5 分類群が知られている。ケクロモジ以外は日本固有とされる。本校のある兵庫県は,これらの5分類群がすべて分布している唯一の県である。この5分類群の種はよく似たた形態を持つために識別が難しく,分類学的な取り扱いにしばしば混乱がみられ,それらの種関係は明らかにされていない。先輩方の研究では、それらの芳香が異なること,クロモジ・オオバクロモジは葉緑体DNAのtrnL-F領域,核DNAのITS領域で全国にわたって大変良く似た塩基配列を持つことがわかっている。私たちはクロモジ5分類群の枝葉から水蒸気蒸留によって芳香蒸留水と精油を作成した。芳香蒸留水については紫外可視分光光度計でその芳香成分を分析し、精油についてはガスクロマトグラフィー質量分析を行い、その芳香成分の分析を行った。また、葉からDNAを抽出し、葉緑体全ゲノム分析と,MIG-seq法を用いた分子系統解析およびストラクチャー解析を行った。クロモジ5分類群の芳香蒸留水の分析結果ではクロモジ5分類群のうちヒメクロモジで特徴的な吸収が見られた。精油のガスクロマトグラフィー質量分析の結果では,クロモジ5分類群全て花期と果実期で成分に変化が見られた。分子系統解析の結果ではクロモジ5分類群は,クロモジ類(クロモジ・オオバ)とケクロモジの仲間(ケ・ウスゲ・ヒメ)に分けられる可能性が高いことが分かってきた。当日はこれらについて詳細に報告する。


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