| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-030 (Poster presentation)
ミルワーム(Tenebrio molitor)は、昆虫食ペットフードとして、一般に多く浸透している昆虫である。私たちの科学部でも、カエルなどの昆虫食飼育動物の餌として、継続的に飼育している。私たちは、ミルワームを飼育する中で、数十個体の幼虫から次世代の幼虫がどの程度増えるのかということに興味を持ち、1週間に1回の割合で個体数を計測しミルワームの個体群動態について研究を行った。その結果、50個体の幼虫から最大700個体まで個体数が増加し、安定した。この中で私たちは、幼虫の個体数が安定することに注目した。幼虫の個体数が安定した理由として、幼虫が成虫へと変態することで、個体数が調整されており、そのタイミングに密度や餌の量が関わっているのではないかと考え、今回、その要因を解明することを目的とした。容器には、大(7.5cm✕14cm✕8cm)、小(28cm✕20cm✕14cm)の2つの容器を使用し、幼虫5個体・ふすま250ml・小容器、幼虫5個体・猫砂250ml・小容器、幼虫5個体・ふすま125mlと猫砂125ml・小容器、幼虫35個体・ふすま250ml・小容器、幼虫35個体・猫砂250ml・小容器、幼虫35個体・ふすま125mlと猫砂125ml・小容器、幼虫35個体・ふすま750ml・大容器、幼虫35個体・猫砂750ml・大容器、幼虫35個体・ふすま350mlと猫砂350ml・大容器の9つの実験区を設定し、密度、餌の量を変化させて幼虫の変態に及ぼす影響を調べた。その結果、ふすまである餌が入っていない猫砂では、餌の供給がほとんどないため、成虫への変態が起こりにくかった。また、ふすまの入っている実験区では、35個体の幼虫を入れたにも関わらず、成虫の環境収容力が15個体前後となった。成虫の密度を制御する何らかの要因が考えられた。