| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-035 (Poster presentation)
単為生殖種トゲナナフシでは雄が極めて稀であることから、雄の発見報告はあるものの識別基準が十分に整備されていないという問題があった。本研究は、同一母系の累代飼育を安定化し、希少雄および雌雄モザイクの識別基準を提示することを目的とした。
三重県で得た雌1個体を起点に、小学1年生から自宅で累代飼育を継続している(10世代、累計約600個体)。215種類の植物を与え好ましい食草を分析するとともに、混食の効果を混食群と単食2群で比較した。結果、混食群の産卵数が最大約3.2倍となり、系統維持に混食が有効であることが示された。9年間の累代飼育を続ける中で、採卵→孵化→飼育の飼育手順を標準化した。
この累代飼育個体群から雄様個体3例を確認した。2022年個体は腹端の把握器(クラスパー)を備え交尾試行を示し、触角体長比から希少雄と同定した。一方、2023年の2個体は交尾せず把握器を欠き、触角体長比と解剖で雌型生殖器を持つ雌雄モザイクと判定した。Neohirasea属の特徴と各地の雌の体長データも併せて、触角体長比による抽出と腹端形状・行動・解剖を組み合わせた識別基準を提案した。