| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-039 (Poster presentation)
カメムシ類やアリ類は、世界中に広く分布する分類群であり、種ごとに様々な環境に適応し、生活している。私たちが普段生活している沖縄県立球陽高等学校内においても季節や時間帯によって様々なカメムシ類を見ることができる。本調査では、よく校内で見られるカメムシ下目・アリ科に着目し、校内にどのようなカメムシ類・アリ類が出現するのかを明らかにすることを目的とした。採集の際は、虫取り網を用いたスウィーピング法やビーティング法、吸虫管や徒手による見つけ取り法を行い、校内の2地点(草原と人工林)でカメムシ類、1地点(人工林のみ)でアリ類の採集を行った。採集したカメムシ類・アリ類は、顕微鏡下で各形態を観察し、種を同定した。その結果、カメムシ類は10科22属26種(在来種25種)、アリ類は1科12属18種(在来種5種)が確認され、分類群によって在来種割合に大きな差がみられた。また、各地点のカメムシ類に着目すると、人工林7種、草はら13種、共通していた種6種であり、草はらの種数が多い結果となった。加えて、月別の種数は、草はらで変化が大きく、肉食性であるサシガメ科や雑食性であるクチブトカメムシ類が多く出現していた。人工林と比較して、草はらは乾燥や季節変化の影響を受けやすい可能性があり、今回の結果は、人工林よりも草はらの環境変化が大きいためと思われた。
採集されたアリ類を環境指標として人工林の環境特性を検討した。その結果、人工林ではアカヒラズオオアリやクボミシリアゲアリなどの樹上性アリ類が出現しているが、一方で、外来種の割合は68.7%(全種数n=16)と非常に高い値を示した。一般に、アリ類では環境改変の程度が大きい土地ほど外来種の割合が高くなることが知られているため、人工林も環境変化の影響を受けている可能性が示唆された。