| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-042 (Poster presentation)
突然変異と考えられているピンク色のバッタ(以下「ピンクバッタ」)を2021年に見つけてから、毎年ピンクバッタの研究をしている。目立つピンクバッタは食べられ易いと言われたことに疑問を感じ、まず「ピンクバッタは食べられにくい」と仮説をたてた。自作の道具で3種類の実験をすると、予想通りピンクバッタは捕食者に狙われにくいと分かった。だが、狙われにくいのにもかかわらずピンクバッタはほとんど見つからないことが不思議になった。そこで、ピンクバッタの捕食者である「カマキリは、食べ慣れた色の餌(通常色のバッタ)を好む」と仮説を立てて実験すると、カマキリは食べ慣れた餌と同じ色の餌を好むことが分かった。すると、そもそもカマキリには色が判別でき記憶できるのかを疑問に思い始めた。そこで、「カマキリは色を判別し記憶できる」という仮説を立て、Y字迷路を使って学習能力について調べた。その結果、この仮説が正しい可能性を示せた。今年度はT字迷路を自作し、偽物のバッタではなく生きた餌を利用して昨年度の実験を確認した。そして、カマキリが食べ慣れている餌と同じ色の餌を好む可能性をより強めることができた。これらのことから、カマキリが食べ慣れないようにピンク色のバッタの量を少なく保つことで、カマキリは希少なピンクバッタではなく通常色のバッタを好むようになり、結果的にピンクバッタは狙われにくくなると考えた。カマキリがピンクバッタを食べようとしないので、ピンクバッタは生き残ることができる。生き残り易いピンクバッタの存在でバッタが絶滅しないだけでなくカマキリも餓死せず、どちらも絶滅を免れることができるのかもしれない。