| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-049 (Poster presentation)
1.目的
昨年度までの研究では、タケオオツクツクが局所的な分布(福岡、愛知、神奈川、埼玉)であることから、本種の分布が輸入竹材などによる国内発生と考えられた。一方で、竹材輸入量は減少していることをふまえると、今後は、国内で確認されているこれらの地点を中心に、自力での飛翔によって分布が拡大されると考えられる。
そこで本研究では、川口市の竹林における本種の個体群密度を鳴き声の大きさから推測した。また、その竹林で発生しているかどうかを抜け殻の有無により確認した。これらをもとに、発生する可能性のある竹林の規模を検討し、分布の可能性を探った。
2.方法
(1)川口市のタケオオツクツク発生地点周辺でタケオオツクツクの鳴き声が聞こえたところを地図でマッピングし、分布域を調査した。
(2)発生地点周辺の竹林において鳴き声の収音を行い、タケオオツクツクの個体群密度の規模を鳴き声の大きさから推測した。
(3)「(2)」で調査した竹林ごとにタケオオツクツクの抜け殻の有無を確認し、実際にタケオオツクツクが繁殖している竹林かを確認した。
3.結果
前年度発生確認できた川口市のある地点を中心に、同心円状の半径1.5kmほどにある複数の竹林に抜け殻が確認できたため、定着(産卵・交配)していることがわかった。また、比較的小規模の竹林でも十分発生することが明らかになった。
4.考察および結論
小規模な竹林でも発生している可能性があるため、都市部の竹林を経由して分布拡大する可能性がある。今後は発生している市区町村全体や、それに隣接する都市の竹林の位置を把握することで、分布域の広がり方を推測できる。