| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-055  (Poster presentation)

クサグモ及びコクサグモのデュビアに対する反応について
Behavioral responses of Agelena limbata and Agelena opulenta to Blaptica dubia

*谷口瑛多朗(嵯峨野高等学校), 山口拓豊(嵯峨野高等学校), 善木由美香(嵯峨野高等学校), 片岡敬志(嵯峨野高等学校), 稲田圭(京都大学大学院)
*Eitaro TANIGUCHI(Sagano High School), Takuto YAMAGUCHI(Sagano High School), Yumika ZENKI(Sagano High School), Takashi KATAOKA(Sagano High School), Kei INADA(Kyoto Univ.)

 クサグモ(Agerena limbata)とコクサグモ(Agelena opulenta)は、シート状の部分とその上に不規則に張り巡らされた糸で構成された棚網を張り、脚部の聴毛や細隙器官によって糸の振動を受容し獲物の位置を特定していることが先行研究(小野, 2019)により分かっている。しかし、野外では風や葉が巣にかかっても反応せず、アリなどの昆虫にはよく反応することが観察された。そこで、これらのクモが何の刺激に対し反応するのか調べることを目的とした。
 本研究ではデュビアを獲物とし、①デュビアの生存状態 ②デュビアの動作の有無 ③光の有無をそれぞれ変えて実験を行った。①では、デュビアをスクリュー管瓶 (直径18 mm×高さ40 mm) 内に入れ冷凍庫で1週間冷凍保存し、解凍後、巣にかけクモが反応するか観察した。②では、デュビアを半分に切断し、動きのある部位とない部位に分け、それぞれを巣にかけ3分間クモの反応を観察した。③ではクモの巣にデュビアをかけ、光が入らないようにした後、3分後にクモの反応を観察した。
 結果として、実験①では冷凍したデュビアに対しては捕食せず、実験②ではデュビアに動きがある時のみ捕食した個体がいた。実験③では、何も反応しない個体とデュビアのそばまで寄った個体がいた。これらの結果から、巣に獲物がかかったかの認識には振動が重要である可能性が高く、さらに捕食の際には視覚が必要であると考える。


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