| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-058  (Poster presentation)

セキレイ属に見られる尾振り行動の機能的意義【A】
Functional meaning of tail-wagging behavior of Motacillidae【A】

*平田智暉(城南高等学校)
*Tomoki HIRATA(Jonan high school)

セキレイ属(Motacilla)の鳥は様々な場面で尾を振る習性(尾振り)があるとされている。私はバードウォッチングをする中で尾振りのタイミング・振り方が、ハクセキレイ・セグロセキレイとキセキレイで異なるパターンを示していると感じた。したがって本研究では、ハクセキレイ(M.alba)・セグロセキレイ(M.grandis)・キセキレイ(M.cinerea)を対象に尾振りをする条件・理由とその方法についての調査を行った。なお、この研究は多種での尾振りの手がかりになる可能性がある。

基本調査として2025年の4月から福岡県西部の河川において朝(6:00~7:00)もしくは夕方(17:00~19:00)にラインセンサス法、プレイバック法を用いた尾振り回数の記録を行った。また、各種検定を用いてどのような状況で尾振りが行われる事が多いのかを検証した。

Jupyter labでPythonを利用して尾の先端を追跡するコードを作り、3種間で尾振りがどのように行われているのかをy-tグラフで表した。これにより尾振りの角速度などの基本情報を出した。

検定の結果、通常時(警戒も着陸もしてない状況を想定)の尾振り回数(連続回数)よりも着陸した時の方が尾振りの連続回数が多くなっているとわかった。

Pythonを用いて尾振りがどのように行われるのかを解析した結果、キセキレイとハクセキレイ・セグロセキレイでは尾振りの激しさ(主に周期と振幅)に違いがみられ、特にキセキレイは周期が大きいとわかった。現在はこの結果を用いて着陸時の尾振りの物理シミュレーションに取り組んでいる。

以上の結果より、尾振りは衝撃吸収のために機能していることや、キセキレイがハクセキレイ・セグロセキレイとは異なった尾振りの目的を有している可能性が示唆された。先行研究ではキセキレイの尾振りが警戒時に行われると主張されており、ハクセキレイの尾のフラッシング(横に開く行動)が採餌効率を向上させる可能性がある事が示唆されているが、その効果の一つに平衡維持・衝撃吸収があると考えられる。


日本生態学会