| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-060 (Poster presentation)
京都市動物園では複数種類のカモ類が混合飼育されている。このような環境でそれぞれのカモは安心して暮らすことができているのか疑問に思った。これを確かめようと思ったが、インコ類など一部の鳥類においてのストレス行動の研究は進んでいるが、カモの場合は進んでいない。そこで、本研究ではカモが他個体に攻撃され、ストレスを感じる時に頻繁に行う行動や、逆に行わなくなる行動を特定し、カモのストレスの程度を測る行動指標を作ることを目的とした。観察対象は水禽舎で飼育されているキンクロハジロ(Aythya fuligula)、ヒドリガモ(Anas penelope)、ヨシガモ(Anas falcata)、オカヨシガモ(Anas strepera)、マガモ(Anas platyrhynchos)、カルガモ(Anas zonorhyncha)、オシドリ(Aix galericulata)の計7種33個体とした。2025年10月〜2026年1月の期間、先行研究を参考に作成したエソグラムに基づき、攻撃を受けた直後5分間と別日にそれと同時刻に開始の15分間をそれぞれフォーカルサンプリングで取り5分間の観察を54回と15分間の観察を48回行った。観察の結果、通常時に見られる翼を身体の後方に向けて伸ばすストレッチ行動を、5分の観察では一回も取らなかった。さらに、首を後ろに曲げて背中に据えて休息する姿は全54回のうち3回見られ、攻撃された直後は歩くや泳ぐなどしていることが多かった。移動をやめてその場で立ち止まっているときは首を曲げずに休息していることが多かった。よって行動にこのような特徴がある個体はストレスが溜まっている可能性が高いと考えられる。この水禽舎では野生のカモが保護されて飼育されているケースが多く、飼育個体は人間がいることをストレスと感じるので、今後は飼育員さんが水禽舎に入った時もストレス時とし調査する予定である。そして、個体ごとにストレスの程度を確かめ、より良い混合飼育環境を提案したい。