| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-062  (Poster presentation)

あかぽっぽのコミュニケーション デコイ作戦と育雛観察【A】
Investigating Communication and Parental Care in Columba janthina nitens【A】

*佐渡しほり, 渡辺葉月, 山口僚介, 板倉詩, 正木杏, 中村涼乃(国分寺高等学校)
*Shihori SADO, Haduki WATANABE, Ryousuke YAMAGUCHI, Uta ITAKURA, Ann MASAKI, Suzuno NAKAMURA(Kokubunnji  high  school)

背景・目的:本校ではカラスバトについて研究を行っており調査の中で亜種であるアカガシラカラスバトとの関係性を探るため、研究を行った。アカガシラカラスバト(Columba janthina nitens)は小笠原諸島に生息している、カラスバト(Columba janthina)の亜種であり、絶滅危惧種に指定されており個体数が少ない。そのため観察が難しく、生態はいまだに明確でないため行動や鳴き声についての研究も十分でない。そこで野外での観察、鳴き声の分析を通してその生態を明らかにすることを目的として調査を行い、記録からその意味について考察した。
調査方法:東京都日野市多摩動物公園にて飼育個体を対象に録音、行動観察。東京都父島にて野生個体を対象に録音と行動観察、インタラクティブ実験における反応の観察を行った。
結果・考察:アカガシラカラスバトでは「ヴ」という短音と「ウーウ」という長音を組み合わせた音声「Va」に加え基亜種であるカラスバトと同様の「ガガガガ」という音声「A1」が観察された。またアカガシラカラスバトの観察から子育ての際の親子間での鳴き交わしや、給餌の際に見られた子が親に駆け寄る行動などの観察から給餌時の特異的な鳴き声が明らかになった。考察としては「Va」は長音、短音の組み合わせにより「Va1」「Va2」「Va3」「Va4」と分類し、1:周囲への自己アピール、2:周囲への警戒を担うことの周知、自己主張、3:親愛の表現、4:早朝・夕方における弱い自己主張、であると考えた。
子から親への鳴き交わしでは給餌の際に見られた音声を「X」「Y」と名付け、「X」は雛から親への給餌の要求、「Y」は親が雛を呼び、緊張をほぐすという役割を持つと考察した。


日本生態学会