| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-073 (Poster presentation)
日本モンキーセンターの3種のサル、原猿のワオキツネザル、新世界ザルのフサオマキザル、旧世界ザルのヤクシマザルの行動観察をした。これまでに、夏と秋の行動観察の結果を報告してきた(第66回プリマーテス研究会:2022年3月、第67回プリマーテス研究会:2023年2月、第68回プリマーテス研究会:2024年2月)。3種ともに夏より秋に活動的であることがわかった。
本研究では、これら3種のサルについて、さらに冬と春も観察を行い、3種のサルの春・夏・秋・冬の行動について比較した。
日本モンキーセンターのワオキツネザルを個体識別して、2021年8月から観察した。フサオマキザルも個体識別して、2022年8月から観察した。ヤクシマザルは、個体識別が難しかったため、メス・オスの区別、オトナ・ワカモノ・コドモ・アカチャンの区別をして2023年8月から観察した。観察の方法は、1個体について30 秒ごとに、採食、休息、移動、その他、LOST を記録し、10 分間観察した。
これまでに3種の夏と秋だけ比較したときは、夏より秋が活動的であるという共通点があることがわかったが、春夏秋冬について比較すると、季節の共通点よりも種による違いがあることがわかった。ワオキツネザルは夏に休息が多く、他の季節の方が活動的だった。フサオマキザルは他の種よりも移動が多く、夏はやや移動が少なかった。ヤクシマザルは特に冬に休息が多く個体同士がくっついて団子になっていた。その他の行動では、それぞれの種に特徴的な行動が見られた。オキツネザルは毛づくろいを自分にするだけだったが、フサオマキザルとヤクシマザルでは他の個体に毛づくろいをしたり、されたりが見られた。行動観察時に、気温・湿度・天気の記録もしているため、今後季節での分け方以外に、気温や湿度などを使って分析してみたい。