| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-074  (Poster presentation)

京都市動物園におけるアカゲザル(Macaca mulatta)の順位と展示場内の位置の関係
The Relationship Between Dominance and Spatial Position in Macaca mulatta at the Kyoto City Zoo

*林純生(大阪府立北野高等学校), 古屋日菜子(大阪府立北野高等学校), 三浦琳真(大阪府立北野高等学校), 三浦瑛真(関西大倉高等学校), 西原歩那(京都大学), 北尾拓磨(京都大学), 杉崎仁友(京都大学), 河原令歩(京都大学), 横坂楓(一般), 杉邨仁美(関西大倉高等学校), 鈴江隆弘(大阪府立北野高等学校)
*Junsei HAYASHI(Osaka Pref. Kitano High School), Hinako FURUYA(Osaka Pref. Kitano High School), Rinshin MIURA(Osaka Pref. Kitano High School), Eishin MIURA(Kansai Ohkura), Ayuna NISHIHARA(Kyoto University), Takuma KITAO(Kyoto University), Niyu SUGIZAKI(Kyoto University), Yoshiho KAWAHARA(Kyoto University), Kaede YOKOSAKA(No institutional affiliation), Hitomi SUGIMURA(Kansai Ohkura), Takahiro SUZUE(Osaka Pref. Kitano High School)

 京都市動物園では、老齢アカゲザル(Macaca mulatta)11個体(オス1個体、メス10個体)が飼育されている。その中で、ある個体が動くとそれに続いて他個体も動き出す様子が見られた。アカゲザルには優劣順位が存在する(加藤,2000)ことを踏まえ、連鎖的に別個体のいる位置に新しい個体が移動していくことを席替えと定義し、席替えと順位の関係を中心に席替えの要因を調査した。観察は2025年8月~2026年1月にかけて行い、総観察時間は60時間であった。なお、ボコ2(メス)は腫瘍のために2025年12月に安楽死処置がされ、全10個体となったが、それは本研究では考慮されていない。まず、グルーミング、マウンティング、接触行動からDavid Scoreを算出し、個体間順位を明らかにした。席替え行動については動画を撮影して記録した。結果、最初に動き出した回数が1番多い個体は、順位1位、3位、4位の3個体が同率であり、4番目は2位の個体であった。順位と最初に動き出した回数との関係性が見られた。動いた順番のSpearman順位相関係数は0.657で、中程度の正の相関関係があった。一方、気温や天候、餌の時間とは関係が見られなかった。したがって、席替えはその大部分が高順位個体の動きだしで始まっていたことから、高順位個体の優位性を確認するものとなっている可能性がある。また、席替え行動は2個体以上が動く同調行動と考えられる。さらに、気温や天候、餌の時間が関係しないのは、席替え行動が個体間順位による社会的なものであって、生理的な要因が含まれないものであることが考えられる。よって席替え行動が純粋に高順位個体の優位性を指し示すものであることが言える。


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