| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-075  (Poster presentation)

菌類の分解能力についての研究:Part1【A】
Research on the degradtion potential of fungi: Part 1【A】

*山端慶子(瀧川学園 滝川中学校)
*Keiko YAMAHATA(Takigawa Junior High School.)

研究の概要)菌類は自然界で最も分解が困難と言われている樹木成分リグノセルロース(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)を分解できることを知り菌類のもつ能力を私たちの生活に利用できないかと考え研究をスタートさせた。
方法)使用した菌類:白色腐朽菌(シイタケ、ヒイロタケ、カワラタケ、マンネンタケ、キノコからの培養を試みた)果樹に寄生する病原糸状菌(シロモンパ病菌:研究室保存菌株を使用)
分解対象物:メンブレンシート(セルロース成分)、サランラップ(PVDC)、レジ袋(PE)
処理方法:分解対象物と菌類が接触するように、シャーレ実験と土壌実験二つの処理方法を用意し22℃~24℃で経過を観察した。
分解能力の評価方法:ピンセットで分解対象物をつかみ、その崩壊程度から5段階評価。また、走査型電子顕微鏡を使用して分解対象物の状態を観察した。
結果)処理方法の比較:シャーレ実験は用いた培地に雑菌の混入が起こりやすく、結果が安定しなかった。一方で、土壌実験は赤玉土の栄養分が少ないことから、特定の雑菌が増殖することが無く混入させた菌糸と分解対象物を長期間反応させることができた。
分解対象物の変化:菌の種類によって分解程度は異なっていた。シロモンパ病菌が最もメンブレンシートの分解が進んでおり、シャーレ実験・土壌実験においても、投入後34日経過した時点でピンセットでメンブレンシートをつまんで持ち上げることが出来なかった。シートの裏面をSEM観察したところ、平面であったものが球状の構造が並んだ状態になっていて、この変化が崩れやすい構造になったものと考えられた。一方、サランラップについてはピンセットでつまんでも変化は認められなかった。しかし、菌糸の一部はサランラップに押し付けるように輪のような形を作る様子が観察されたことより、さらに長期間反応させると分解される可能性もあると考えられる。


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