| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-096  (Poster presentation)

ビオトープから見る、生きものと環境のつながり【E】
Life and Environment: lnsights from a Biotope【E】

*藤原碧唯, 河原朱莉(清心女子高等学校)
*Aoi FUJIWARA, Akari KAWAHARA(Seishin Girls' High School)

私たちの学校には14年前に作られた止水性のビオトープがあるが、近年は手入れがなされていなかった。水の循環は止まり、水面は浮草で覆われ、ビオトープ周辺にはヘドロの匂いがし、生き物がいるのか分からない状態になっていた。そんなビオトープを多くの生き物が集まる場所にしたいと2024年から活動を始めた。
2024年5月から外部講師の青山年男さんと松本英子さんに来ていただき初日はビオトープ内のヘドロを外にすくいだし、水は入れ替えるなどの環境整備を行った。その後も定期的に青山さんや松本さんをお呼びしてビオトープや周辺で観察できた生き物についての説明を聞き記録しながら草刈りなどの環境整備も行った。活動を始め1年が経つ頃にはトンボのヤゴが確認できるようになり2025年の3月にはサンショウウオの卵嚢を発見し採取、5月にはアカハライモリの産卵、幼生を確認することができた。
孵化した幼生の餌やりがうまくいかず、共食いが発生し、幼生の数が大きく減った。その後は餌やりを頻繁に行い、それ以上共食いが起こらないように気をつけた。夏休みには学校が閉まるため、短期間の受け入れ先を募集した。夏休み明けに帰って来た個体の中に他の個体に比べ、預けたときよりも1〜2㎝程大きくなって帰ってきた個体がいた。そこで、「環境の違いによって成長速度が変化するのではないか」と思い、次の実験を行うことにした。サンショウウオを5匹ずつ入れたケースを2つ用意した。ケース①は砂利と隠れる場所となるドカンを入れ、ケース②は砂利のみで飼育した。1日おきに餌やりを行い、1週間ごとに体長と体重を計測した。8週間後の体長の平均を比較するとケース①とケース②の差は約3mmで大きな差はなかった。このことからサンショウウオの成長速度は物理的環境による影響は少ないと考えられる。


日本生態学会