| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-100  (Poster presentation)

和金と出目金の嗅覚の違いについて【A】
Olfactory differences between Wakin and Telescope goldfish【A】

*岡部天音, 福島充希子, 藤本雅妃, 本多祐喜(石川県立七尾高等学校)
*Amane OKABE, Mikiko FUKUSHIMA, Miyabi FUJIMOTO, Yuki HONDA(Nanao High School)

キンギョの品種では、出目金のほうが和金より視野が狭く、視力が弱い可能性があることがしられている。採餌の際、キンギョは視覚と嗅覚を使って餌を探す。この時視力が弱い出目金は、主に嗅覚を使っているのではと考え、和金よりも出目金の方が嗅覚が優れていると考えた。
本研究では、和金と出目金の嗅覚の違いを明らかにすることを目的とし、以下の実験を行った。実験1では、グルタミン酸ナトリウムに対する金魚の反応を調べた。グルタミン酸ナトリウムは、金魚の餌の主な臭い成分である。水槽の中にペットボトルで作ったY字型のトンネルを設置し、分岐先の片方にグルタミン酸ナトリウム水溶液10mlを投入した。この際、投入する先は左右どちらかを無作為に選んだ。また水溶液の濃度は、3段階に変化させた。溶液を投入した後、一分間観察し、金魚が分岐先の左右どちらに進むかを記録した。
実験2では、ゼブラフィッシュから採取した警報物質に対する忌避行動について調べた。水槽内の金魚から約5センチメートル離れた場所に、4段階の濃度に希釈した警報物質を投入した。投入した後、動画を撮影し、3分間で金魚が動いた距離を測定した。この際、個体の垂直方向への動きを制限するため、それぞれのサイズに合わせて水量を調節した。また、警報物質は水量の100万分の1の量を投入した。
実験1では各濃度において出目金のほうが和金よりも溶液を投入した方向に進んだ割合が高いことから、出目金のほうが嗅覚を使って行動を決定していると考えられた。実験2では、100倍希釈よりも低い濃度において、出目金のほうが和金よりも動く距離がわずかに長く、より低い濃度で反応していることが示唆された。一般的に嗅球が大きく、嗅神経が太い動物ほど嗅覚が優れていると言われている。この点からも検討するため、飼育中に死んだ金魚の頭部を解剖し、脳の形態的な観察を行った。出目金の嗅球と嗅神経は確認できたが、和金の嗅球と嗅神経は確認できず、品種間での比較はできなかった。


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