| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-104  (Poster presentation)

アメリカザリガニはグルメなのか? ~誘引実験から明らかにする駆除効率化~【A】
Are American crayfish particular about food? ~ Efficient methods for extermination of red crayfish as assessed by bait attraction experiments ~【A】

*阿知波ハル, 丸尾泰雅, 山内希一, 大森奏, 関本蒼大, 是賀柳之介, 寺本龍翔(浜松学芸高等学校)
*Haru ACHIWA, Taiga MARUO, Kiichi YAMAUCHI, Kanade OMORI, Souta SEKIMOTO, Ryunosuke ZEGA, Ryuto TERAMOTO(Hamamatsu Gakugei High School)

本研究は、静岡県浜松市中央区舞阪町舞阪の「町民の森」にある人工池を調査地としてアメリカザリガニの駆除活動を実施した。人工池は底面と側面がコンクリートと岩で覆われ、周辺に河川、池、田んぼは存在せず、アメリカザリガニが周辺環境で流出入する可能性が極めて低い。そのため、調査地からのアメリカザリガニの駆除及び、作業効率の改善を目的に調査を行った。人工池に生息する生物相を明らかにするため、2025年7月12日に予備調査として調査員が1時間かけ、たも網で捕獲した。捕獲したアメリカザリガニは全長、雄雌を記録し、再放流した。その他生物に関しては、種名を記録して再放流した。2025年7月13日から11月30日まで合計21回、1週間に1回、カニ籠(縦57cm×横47cm×15cmで網目の間隔は1cm)ともんどりを用いたアメリカザリガニの捕獲を行った。誘引餌には5cm角に切ったマサバ切身を用い、3.0%塩化カルシウム水溶液に24時間浸した後、人工池3地点にカニ籠を各1個、計3個を設置。もんどりは合計12個設置した。設置から15時間後に罠を回収し、アメリカザリガニの全長、雄雌を記録した。その結果、カニ籠を用いて捕獲されたアメリカザリガニは、雄156個体、雌104体、雌雄判別困難な2個体を含めて合計256個体であった。もんどりでは雄67個体、雌96個体、雌雄判別困難な2個体を含めて合計165個体であった。カニ籠で捕獲されたアメリカザリガニは平均7.87cm(n=256)であり、もんどりで捕獲された個体の平均6.90cm(n=165)であった。本研究より、もんどりはカニ籠と比較し小型個体の捕獲に有効であり、塩化カルシウム水溶液に漬けたマサバ切身を誘引餌として用いることで、野外の池においてアメリカザリガニを十分に捕獲できることが示された。今後はより小型な1齢個体の捕獲を目指したい。


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