| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-108  (Poster presentation)

外来植物カミヤツデの分布拡大に関する研究【A】
Research into the distribution expansion of the invasive plant, Rice-paper plant【A】

*内田壮亮(明治学園中学高等学校)
*Sosuke UCHIDA(Meijigakuen J.H.S)

外来植物カミヤツデTetrapanax papyriferはウコギ科の常緑低木である。非常に大きな葉を広げるため、在来植物に対して悪影響があることが懸念されているが、カミヤツデの生態に関する研究は多くない。カミヤツデの分布拡大を抑制する具体的手段を検討するために、繁殖特性に関する研究を行った。研究Iでは2020年7月に校舎裏の空き地に植え付けたカミヤツデの植物体を1年ごとに観察した。また、2025年9月における繁殖した個体の分布、本体からの距離、樹高、葉の枚数、葉の広がり(冠幅)を計測した。カミヤツデは、2022年から2024年までは新個体は出現していなかったが、2025年になって急に新個体が出現した。また、2025年9月においての繁殖した大きな個体の冠幅が互いにあまり重なっていないことが分かった。樹高が高いほど葉の枚数は多くなる傾向があり、樹高は本体から少し離れたところにある個体の方が高かった。これらのことから、カミヤツデは地上部が小さいうちに地下部を拡大させ、ある程度地下部に栄養をため込んだ後に、一気に地上部を拡大させると考えられる。そのため、駆除の際には地上部だけでなく地下部の生育の程度を評価する必要がある。また、新しく出現した個体が光や栄養などの資源を効率よくとるための仕組みがあると考えられる。そこで、カミヤツデは冠幅の範囲内には新個体を作らないという仮説を立てた。この仮説を検証するために研究IIを行った。研究IIでは3cmの地下茎断片をA(天面に何もしない)、B(天面にアルミホイル)、C(天面にカミヤツデの葉)のパターンで、それぞれ5個体ずつ培養土で育て、発芽するか調べた。結果は、発芽した個体が少なかったものの、C(葉)のパターンでだけ発芽した個体が見られなかった。このことから、カミヤツデの葉の下では新個体の発芽が抑制されると考えられる。つまり、カミヤツデの地下茎には光発芽種子のような性質があると考えられる。


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